2014年11月30日、東京都表参道にある東京ウィメンズプラザのホールで開催された「ひきこもりUX会議」。8人のプレゼンターを一人ひとつの記事で紹介し、多くの方にインタビューもさせていただきました。連載記事の第5弾は、林恭子さんです。
※イベントの様子については、こちらの記事をご参照ください。

林恭子さん

5.林恭子さん(ヒッキーネット(横浜市)/新ひきこもりについて考える会)

高校生の時に不登校。20代の時は「お金を稼がないと死んでしまうのではないか」という強迫観念のもと必死に働くも、体調を崩しひきこもりを経験したという林さん。その後結婚を経て、元当事者である夫と古本屋「たけうま書房」の経営を始めました。「死ぬ前に一度は好きなことをしたい」という覚悟がモチベーションになり、自営業へ転身。「ひきこもっていた時には想像もできなかった」という現在の働き方にたどり着き、いまでは「ストレスのない生活を送れている」と言います。
林さんは「こうした経験は特別なことではない」と続けます。ひきこもっている今は、当事者も親御さんも「お店なんて開けない」と思うかもしれません。林さんもひきこもってからここまで20年近くをかけています。「出会いを大切にすれば、自分でもお店を開くことはできる」と話し、「雇われずに働きたい」と考えている方々へエールを送りました。

1.初めての「ひきこもりUX会議」の手応えはいかがでしたか?

予想以上に多くの方にお越しいただき、大変手応えを感じました。やはり当事者の話を聴きたいと思われる親御さんや支援者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。今回出来なかったことも含め、これからも当事者発信をさまざまな形でしていけたらと思います。

2.第2回「ひきこもりUX会議」がもし開かれるとしたら、どういったものにしたいですか?

1回目は複数の当事者の声を伝えたいと思いあのような形になりましたが、次回はテーマやプレゼンターごとにグループ分けをしたり、支援団体のブースを作るなど、より双方向的なものが出来たらいいなと思っています。

3.もし、プレゼンターとして伝えきれなかったことがございましたら、お話しください。

人前で話し、古書店を始めたというと、「それは無理」「自分には出来ない」と思う方も多くいらっしゃるだろうと思います。以前の私もそうでした。20年という長い間、暗闇を手探りで進むように生き、周りの景色に色がなかったことにも後に気付きました。『この先絶対に幸せになることはない』と確信もしていました。それでも少しずつ何かが変わり、人と出会い、今こうしているのだと思います。99%絶望していても1%を信じることが出来れば変わることがあるのだと今は思います。

【他のプレゼンターの記事】
①岡本圭太さん
②丸山康彦さん
③石崎森人さん
④小林博和さん
⑥勝山実さん
⑦川初真吾さん
⑧恩田夏絵さん

ひきこもりUX会議公式サイト

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