ひき☆スタでは、サイトのトップにあるヘッダーにて、ひきこもり当事者や経験者の方が描いたイラスト/デザインを期間限定で掲載していく企画を開催しています。

この企画は、当事者/経験者の作品を発表できる場を設けるとともに、当事者/経験者が作成した絵やデザインを通じて、ひき☆スタをユーザーの皆さんにとって、より親しみやすいサイトにしていきたい、という気持ちからスタートしました。

第2弾は、「布団の中のアーティスト」でCDジャケットを描くなど活躍されている、ひきこもり経験者のフルタアキヒコさんに描いていただきました!

フルタアキヒコさんが手掛けたヘッダーは、12月末頃まで掲載予定です。いつもと少し違ったひき☆スタを、ぜひお楽しみください!

フルタアキヒコさんのヘッダー画像


フルタアキヒコさんからのコメント

『ひき☆スタさんとの出会い』
皆様はじめまして。フルタアキヒコと申します。
「ひき☆スタ」というサイトと、スタッフさんに関われたことを嬉しく思います。
私の母は鎌倉が故郷です。私の祖母は藤沢に住んでおりました。
ですので子供の頃は、毎年夏に藤沢に訪れていました。
そんなこんなで神奈川県には縁を感じます。
神奈川在住の哲生さん主催の「布団の中のアーティスト」というイベントがあります。
そこで皆さんから集めた曲を収録したCDアルバムを会場で配布しておられます。
私はそのCDの2枚目から6枚目までアルバムジャケットを描かせて頂きました。
5枚目のジャケットをひき☆スタのスタッフさんがご覧になられたようで、
そういった経緯でお声を掛けて頂いた次第で、やはり不思議な縁を感じます。

『イラストのイメージ』
ヘッダーのお話しがあった当初から、ひきこもりを何か動物に例えてみたいと思っていました。
「こもる」「ふさぐ」「隠れる」こういった言葉にはどこかマイナスの印象が付いて回ります。
私はこれらの行為に、プラスで明るいイメージを持たせたかったです。
冬眠するクマ、ミーアキャット、カンガルー(親子)、モグラ、かたつむり、ヤドカリ、猫、ミノムシ…
とにかく動物を描きたかったのですが、一番明確でPOPなイメージがあったモグラにしました。
地面に住むのが当たり前で、おっちょこちょい、ユーモラスでひょうきんなイメージにしたかったです。

『キャラクターについて』
私の中でモグラのキャラクターは「モグラ隊員」「モグラ軍団」と呼んでいます(笑)
地面の中にはたくさんのモグラがいます。住んでいます。
左端と右端のカエルとヘビも、モグラにしようかとも考えました。
地面の中こそ我々の生活圏だし、見えないところで色んな活動をしている!
そんな風なメッセージを込めました。
地面に埋まっている宝箱は、「地上に出るだけが全て」じゃない、むしろ地面の中にこそ宝物が埋まっているんだ!
というメッセージを込めました。
やはり「こもる」ことに正のイメージ、希望の意味合いを込めたかったです。
すずはりとこゆるぎは当初いなかったのですが、スタッフさんの勧めもあり段々描きたくなっていきました。

2Dのゲームステージ風画面ですが、横長のヘッダーに結果的にマッチして良かったです。
これも当初そこまで2Dゲームステージ風にするつもりはなかったのですが、段々そうなっていきました。
画面の雰囲気、色合いなどは某ゲームのイメージが当初からあったのですが、画面を整理していくにつれ段々ステージ感が増しました(笑)

真ん中のモグラは間違いなく自分です(笑)
地上に(思いもかけず)出て、どぎまぎしています。
勝手がぜんぜん分かりません。困っています。
でもすずはりとこゆるぎがいるから安心。
もぐってもよし、出てもよし、迷ってもよし!
とにかく人生は自由なんだ!と自分に言い聞かせます(笑)

このヘッダーが載るころは、秋~冬ですが入道雲を描きました。
私は入道雲が好きです。
不穏なぐらいモコモコした入道雲に、ノスタルジーを感じてしまいます。

『描き終えて』
良かった!という感想しかないです!
昔の自分なら、プレッシャーから引き受けないと思うのですが、今は経験が重要だと思っています。
考えるより行動してみて、その先は「その時はその時」と考えるようにしています。
なるようになる、と思います。
スタッフさんとのやり取りの中で、たくさん勉強させて頂きました。
イラストレーションとデザインは微妙に違うようで、そんなことも考えさせられました。
とにかく生きている限り、成長できるし勉強しようと思います。
自分は十全だと思った時こそ、油断して足元をすくわれる。
そんな風に思いながら、慎重かつ大胆に生きていきたいです!
絵は自分のアイデンティティーの90%以上を占めているので、これからもめげずにコツコツと続けていこうと思います!

フルタアキヒコ プロフィール

1976年生まれ。42歳。
ひきこもりが社会問題化するより、やや前の世代だと思います。
兵庫県在住。両親と同居しています。
うつや気分障害、入院経験を経て現在障がい者枠で、アルバイト勤務(看板業)をしています。
これからも少しでも「絵」に携われる仕事に縁があるよう、祈っています。
仕事の傍ら、イラスト・漫画制作、楽曲制作などをしています。
どんな境遇であれ、与えられた職責を果たし、限りある人生を思いっきり楽しんでみたい。
心からそう思っております。
地面にこそ、宝が埋まっていることを、私は忘れないようにしたいです!!


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