神奈川県立青少年センター

神奈川県がひきこもり地域支援センター事業として開催している、フォーラム&個別相談会。今年はすでに11月22日に秦野市で行われましたが、12月8日にも茅ヶ崎市で開催されます。
5年前からスタートしたというこの事業は、年におよそ2回のペースで開催。今年も、ひきこもり当事者やそのご家族、そして支援者が講演するフォーラムのほか、自身の悩みについてさまざまな機関に相談できる個別相談会がセッティングされています。

<ひきこもり地域青少年支援フォーラム&個別相談会>
【日時】
平成28年12月8日(木)
午後1時~4時30分(受付 12時30分から)
【場所】
茅ヶ崎市青少年会館 1階 研修室
申し込み先 県立青少年センター 青少年サポート課
045-263-4467(月曜休み) 12月7日締切
【対象】
茅ケ崎市を中心とした湘南地区のひきこもり問題に悩む家族、当事者(39歳まで)、関係者
【参加費】
無料

さらに詳細を記した支援情報ページはこちらから
http://hkst.gr.jp/events/13260/

今回は県立青少年センターで、担当者の方にフォーラム&個別相談会がどのようなものか伺いました。

フォーラム&個別相談会ってどんなもの?

――まずは、フォーラム&個別相談会の概要についてお聞かせください。

ひきこもり当事者、そしてそのご家族のために個別相談会を開きたいという考えが元々ありました。しかし、ひきこもりのことで悩んでいても、相談にはなかなか足を運べないという気持ちがあるかと思います。そこで、各地域にこちらが伺い、個別相談会をさまざまな地域で開催しています。また、話だけ聞きたいという方にも参加していただけるように、ひきこもりの経験者やご家族、支援者を招いてのフォーラムも開いています。

――当日の流れについてお聞かせください。

まず、受け付けの段階で相談のご希望を確認し、大まかなご相談内容、そしてどこに相談したいかということをお伺いしています。そして、フォーラムのあとに順番にお呼びし、ご相談を各機関で受けるというような形になります。
相談を待つ間は、懇談会に参加していただくことができます。フォーラムで話をしてくださった方たちを囲み、より密接に経験者やご家族のお話を聞いていただくことができます。 また、相談補助員というひきこもりの経験を持っている若者たちも懇談会に協力してくれているので、より多くの当事者の方の話を聞けます。

――今年は秦野市と茅ヶ崎市で開催されますが、これまで開催した地域について教えてください。

昨年は三浦市で、おととしは鎌倉市と小田原市で実施しました。政令市にはひきこもりの相談窓口が設定されているので、それ以外の県域に住む方たちを対象として考えています。

経験者や支援者の経験談が聞けるフォーラムについて

フォーラム&個別相談会のチラシ

フォーラム&個別相談会のチラシ



――フォーラムでは、どのような話をされる予定でしょうか。

具体的な内容はその時に話していただくことになっています。
フォーラムではひきこもり経験者、ひきこもり当事者のご家族、そして支援者の3名にお話いただいております。ひきこもり経験者とご家族の方には、ひきこもっていた当時の様子、状況が改善されていったきっかけなど、さまざまな経験をお話いただく予定です。

――経験談を聞きたいという参加者の声が強いのでしょうか?

そうですね。親子の間でコミュニケーションがない、日常会話はするけれど本当は何を考えているのか分からない、といった親御さんの声が多いです。
県立青少年センターでは個別相談会とは別に、専門家や臨床心理士や支援者の方たちによる家族向けのセミナーもやっています。そこでも経験者にお話いただく回があり、聞いていたご家族からは「聞いてとてもよかった」「自分と子どもの関係を見直してみようと思いました」というような声が多いので、そういったご希望があると感じています。

――茅ヶ崎市のフォーラムに参加される、ひきこもり支援者について教えてください。

茅ヶ崎市では、逗子市で活動されている「NPO法人 遊悠楽舎」代表・明石紀久男さんにお話いただきます。フォーラムの進行・整理のほか、支援者の立場から当事者の方とご家族の方それぞれにお伝えになりたいことをお話されると思います。

さまざまな機関と話をできる個別相談会

――相談会には、ひきこもりの当事者、またその家族が多くいらっしゃるという認識でよろしいでしょうか。

そうですね。ひきこもりの支援事業ということで開催しているので、ひきこもりの方やそのご家族がいらっしゃいます。中には、中学生や高校生といった不登校のお子さんの親御さん方もいます。

――地域での相談会には、その地域の方が多くいらっしゃるのでしょうか。

必ずしもそうではありません。地元で相談をしたくないという方もいらっしゃいます。市の相談機関では、その地域の住民が対象となるのですが、それでは行きづらいと思っている方もいます。そういう方にとっては、広域で、誰が来てもいいものの方が行きやすいのではないかと思います。

――親御さんだけでいらっしゃる方が多いですか?それとも親子でいらっしゃる方が多いですか。

ご家族だけの方が多いです。平日に行っているため、お母さまがいらっしゃるケースが多いですね。定年になったお父さまがご一緒に来られることもあります。

――相談会に親御さんが来場する際、お子さんと一緒に行くべきか迷う方もいるかと思います。

当事者ご本人の希望が第一なので、ご本人に来ていただけるのであればそれがベストだと思います。しかし、なかなかご本人がこういったところに来るのは難しいですし、時間もかかるかと思います。必ずしもご本人が来られなくても、まずはご家族だけで相談に来てください。ご家族がどこかに相談に行っているうちに、ご本人も「じゃあ自分も行ってみようかな」と思われるケースもあります。

――相談の内容はどういったものが多いでしょうか。

個別相談会は、青少年センターから来ている相談員や、県の保健福祉事務所の精神保健を担当しているワーカーさん、さらには民間団体の方で実際に若者支援をしている支援者の方など、さまざまな機関に相談できます。
相談内容としては「子どもへの対応について」「もしかしたら病気なのではないか」「今後は具体的にどういった団体につなげたらいいか」といったものがあります。

――個別相談会で様々な方が相談を受け付けてくださるということですが、どれくらいの規模になるでしょうか。

3機関から4機関くらいの体制です。ご希望の機関に相談できますし、複数の機関に相談いただくこともできます。また、例えば民間団体と保健福祉事務所の両方に違うことを相談することもできます。

――個別相談会で相談できる民間団体はいくついらっしゃいますか。

1団体です。フォーラムで話してくださった支援者の方にそのまま入っていただくことが多く、茅ヶ崎市の場合も明石さんが受けてくださいます。

「今まで相談したことがない」という親御さんに来ていただきたい

県立青少年センターのパンフレット

県立青少年センターのパンフレットより



――初めて来られる方もいらっしゃるかと思いますが、他の相談機関から行き着く方もいらっしゃいますか。

初めての方もいらっしゃいますし、相談をかつてしたことがあったけれども、しばらく行かなくなっていた方が、近くでやるなら行こうかな、という思いでいらっしゃる場合もあります。
初めての方にはぜひ来ていただきたいですね。フォーラムを聞いていただくだけでも、得るものがあると思っております。聞いたあとに相談したいということでも、相談の時間が許す限りお受けしたいと思っています。
※原則としてフォーラム、相談会とも電話での申し込みが必要です。詳細は本記事の最後をご覧ください。

――過去、相談会に参加された方の感想をご紹介いただけますか。

2、3年前のものになりますが「元気づけられました」。フォーラムだけ聞きにいらした方からは「今度はぜひ相談したいと思います」などといったご感想をいただいています。

――「ひき☆スタ」では高齢ひきこもりということが話題にあがるのですが、40歳以上でひきこもっていらっしゃる方の相談はございますか。

そういった方の問い合わせもありますが、こちらでは対象が39歳までとさせていただいています。お電話でのお問い合わせについては、できるだけ対応させていただいていますが、来所相談のご希望については年齢制限なく相談できる民間団体や、内容によって保健福祉事務所等他の相談先をご紹介させていただくことになります。
本事業については、個別相談会は対象年齢が設定されていますが、フォーラムの方は聞いていただくことができます。

――今まで相談会に行ったことがない、だけれど行きたいという気持ちがある親御さんに向けて、メッセージをお願いします。

お子さんのことで悩まれているのは辛いと思うのですが、お子さまと社会をつなげる一歩として、お母さま、そしてお父さまも社会とつながることが早道の場合があります。ぜひご自身のお悩みをほかの人に相談し、親御さんも一歩を踏み出していただければと思います。その一つとして、こうした個別相談会という場を使っていただければと思っています。お待ちしております。

【リンク】
【講演会】「幾つになっても子どもの自立」を聴いてみた。【前編】
【講演会】「幾つになっても子どもの自立」堀内祐子先生に訊いてみた。【後編】
【講演会】『よかれ』という親ごころ-泉谷閑示先生に訊いてみた。

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