先日はオンラインでの居場所のあり方について、居場所・交流会などを運営している方たちと座談会を行いました(オンライン座談会 記事へのリンク)。
今回は「そもそも『オンラインのフリースペース』ができない状況にあった」というフリースペース「生き×居きコミュニティ(旧ヤングコミュニティ)」代表の奈良橋さんに、オンラインでフリースペースを開けなかった理由や、緊急事態宣言解除後の活動についてお話を伺いました。

生き×居きコミュニティ(旧ヤングコミュニティ)
2010年に設立。横浜や湘南地区でフリースペースを中心に、講座や自主イベントなどを月8回ほどのペースで開催している。
参加者数:フリースペースは6名くらい
年齢層:主に20~40代
主な活動場所:横浜市市民活動支援センター、藤沢市市民活動推進センター、横浜市青少年育成センター、なか区民活動センター
【新型コロナウイルス発生後の活動は】
3~5月は完全に活動が停止。
6月からは公共施設が使えるようになり、人数制限やマスク着用、アルコール消毒や検温等の新型コロナウイルス感染症対策をしたうえで活動再開。8月には怪談師の方を招いて「マスクde怪談会」を実施した。
新型コロナウイルス感染症前後の活動について
―まず、生き×居きコミュニティのこれまでの活動について教えてください。
生き×居きコミュニティは、今年で設立してから10年。フリースペースや自主事業のイベント、最近では外部の方を招いて講座を開くなど、月8回ほどのペースで活動をしていました。
フリースペースでは気軽にその人らしく過ごせる場所であることをテーマに活動していますが「自由に過ごしていいよ」と言うと、参加のハードルが高いと感じる方もいます。そこで、私たちはボードゲームやテレビゲーム、読書会などのコンテンツを開催日ごとに設けてのんびり過ごしています。
「NPO法人 湘南市民メディアネットワーク」さんとは、定期的に映像鑑賞会を共催。参加者が興味のあることについて、メッセージを送るメッセージ動画の鑑賞会を行っています。
フリースペースは毎回6名ほど参加しており、昨年度の参加者数は延べ116名。講座は1回につき10名程度の参加者数ですが、人気な講座では30名近くいらっしゃることもありました。
―今年の春頃から、新型コロナウイルス感染症の影響がフリースペースにも出始めたのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症が広がってからというもの、昨年度末の3月から今年度の5月にかけてフリースペースを開けなくなってしまいました。
非常事態宣言が解除され、6月から公共施設も条件付きで使用可能に。それぞれの施設のルールに従ったうえで活動を再開しました。
―フリースペースが再開してから、特に困っていることはありますか。
もともと参加者数がそれほど多いわけではないのですが、現在は感染症対策として定員を設けています。もし、たくさんのお申込みがあった場合、対応が大変になるかもしれませんね。それと、ほかの施設や機関とやり取りする際、そこのルールを改めて知らなければならないというのも苦労するポイントです。


2019年度活動報告より。緊急事態宣言が出るまでは各種講座やお花見、バーベキューなどを開催していた
オンラインでフリースペースを開催しなかった理由
―緊急事態宣言の間、オンラインでフリースペースを継続するという提案はありませんでしたか?
3月に活動を停止してからは「オンラインで再開しよう」という話はほとんど出ませんでした。運営はある程度私ひとりで行っていますが、自分自身がパソコンの操作が苦手なこともあり、オンラインでの再開は難しいと思っていました。
私たちのフリースペースで普段していることといえば、ゲームや読書会といったことだったので、それをオンラインで実施するのは現実的ではなさそうですよね。
もしオンラインで再開したとしても、参加者に操作を教えながらフリースペースを開くのはかなりマンパワーを割かれるのではないかという思いもありました。
―奈良橋さんがパソコンの操作が苦手というお話が出ましたが、ほかの参加者の方はいかがですか?
私の感覚ですが、参加者の中でパソコンの操作が苦手という方は半分くらいいるのではないかと思います。中には、インターネットや携帯電話の環境がないという方もいます。
自分自身、フリースペースを始める前までは、ひきこもりの人は「パソコンの操作が得意」というイメージを持っていました。
しかし、実際にはパソコンの操作が苦手だったり、経済的な理由でインターネットの環境を揃えられなかったりする方が多いということを実感しています。
―オンラインではフリースペースを開いていない生き×居きコミュニティですが、それがインターネット環境がない方にとって利用しやすい居場所になるかもしれませんね。
いくつかの団体や機関がオンラインでの居場所を実施し、たくさんの人が活動を継続できるようになったのは喜ばしいことです。実際、生き×居きコミュニティにいつも参加してくれている方の中には「フリースペースのなかった約3ヵ月が辛かった」という話をされる方もいました。
一方で、オンラインではすくい上げられない当事者の方もいると思います。そういう方たちの受け皿になるというのも、結果的にではありますが私たちがオフラインのみで活動している意義でもあるのかなと思っています。
生き×居きコミュニティ(旧ヤングコミュニティ)
お問合せ先
メール:souzousurukuukan@gmail.com
TEL:07013433976
受付対応時間:月~土、13時~20時
主な活動場所:横浜市市民活動支援センター、藤沢市市民活動推進センター、横浜市青少年育成センター、なか区民活動センター
スケジュール等については、ウェブサイト・SNS等でご確認ください。
初めてご参加いただく方には、活動の説明も兼ねて簡単な面談を実施させていただきます。
参加するうえでのご質問やお悩みについてはその際にお尋ねください。電話に出られない場合もございますが、留守電にご伝言いただければ対応いたします。
●サイト
https://youngcommunity.jimdofree.com/
●ブログ
http://tsudoi.blog-rpg.com/
●Twitter
https://twitter.com/ikiki2010
●Facebook
https://ja-jp.facebook.com/pg/yankominara/posts/
●Youtube
https://www.youtube.com/channel/UC4Ebn-lP4a4FhpSbPU1buqg/featured
●神奈川県 団体情報
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/ch3/cnt/nposupport/npo/01_yokohama/09_yung.html
ひき☆スタのイベント情報ページにも「生き×居きコミュニティ」の活動予定が掲載されます。
https://hkst.gr.jp/events/