第9回フリ・フリ・フリマ入口

9月14日、桜木町駅から程近い、県立青少年センター別館・青少年サポートセンターにて「フリ・フリ・フリマ」が開催されました。

フリ・フリ・フリマは、2004年から始まり、今年で9回目を迎えるイベントです。神奈川県下のフリースクールやフリースペースの連絡協議会が、「皆で何かひとつのことが出来ないか」と考え、1年に1度のお祭りとして実施しています。

9年の間に、団体の入れ替わりや開催場所の変更などもありましたが、県下の団体の交流の場所、そして参加者に愛されるイベントとして続いています。

今年は17の団体が参加し、屋台の出店やアートのワークショップ、大道芸や紙芝居など様々な出し物がありました。まだ蒸し暑さの残る9月の陽気でしたが、なかなかの盛況っぷり。

ひき☆スタ取材班では、各ブースを回ってお話を伺いました。(順不同)

フリースペースゆる~り

フリースペースゆる~り(横浜市港南区)

横浜市港南区で活動している団体が集まり、毎週木曜日に開設しているフリースペースです。「港南区不登校・ひきこもり連絡会」に所属している支援団体がローテーションで運営しています。

フリ・フリ・フリマは他の団体さんと直にお話できる機会なので、とても勉強になります。あまりこういう機会がないので、これからも参加したいですね。今日は就労支援で提供しているカレーを販売しています。(こうなんYOU輝 佐藤潤さん)

▽フリースペースゆる~り http://yururi2013.blog.fc2.com/

コロンブスアカデミー

認定NPO法人コロンブスアカデミー(横浜市磯子区)

不登校やひきこもり、家庭内暴力、ニートなどといった状況で、生きづらさを抱えた子どもや青少年のサポートなど、さまざまな課題に取り組んでいます。また、就労支援の一環として「お好み焼きころんぶす」という店舗を運営しています。

5年前からの参加です。当団体の利用者の中には、文化祭や学園祭に参加していない子も多いので、フリ・フリ・フリマへの参加はそういう子たちにとって大切な経験になっています。 今回は、コロンブスで販売しているたこ焼き、エビ焼きに加え、事務局のビルの屋上で養蜂している蜂蜜で作ったシロップで、かき氷を販売しています。(よこはま型若者自立塾 佐藤昌英さん)

▽認定NPO法人コロンブスアカデミー http://npocolumbus.or.jp/ ▽ よこはま型若者自立塾 http://jobcamp.jp/

楠の木学園

NPO法人楠の木学園(横浜市港南区)

不登校、いじめなどで学校に行きづらくなった子供を対象にした、高卒資格も取れるフリースクール。中学生から20歳前後までの若者が通っています。

初めて会う人に「いらっしゃいませ」や「ありがとうございます」を言ったり、お金をいただいたりということが、社会とつながる訓練にもなります。参加した子ども達に、この場所を楽しんでもらえればと思います。屋外では綿菓子とヨーヨーを、室内では喫茶店を営業しています。(神田誠一郎さん)

▽NPO法人楠の木学園 http://www.kusunoki-gakuen.jp/

こだまの会

こだまの会(横浜市港南区)

不登校の子の居場所作りと、学びの場所作りを目的に、港南区で活動しています。現在は15名ほどの子供たちに、4人の退職した教師が勉強を教えています。不登校の子だけでなく、学校へ行けるようになったけれど、遅れが生じている子のサポートも行っています。点数を取るだけの勉強ではなく、学ぶことで自信をつけたり、楽しんだりということを大切にしています。

今回のバザーでは、当事者の家族が持ってきてくださった古着や本などを販売しています。卒業した子供たちの手伝いや、社会人になって活動に関わってくれるのがうれしいですね。(岡田イチコさん)

▽こだまの会 http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f70226/p7223.html (神奈川県庁ホームページ)

フレンドリースペース金沢

フレンドリースペース金沢(横浜市金沢区)

6~18歳の子供たちを対象に、居場所作りを行っています。学習支援や、受験時の進路相談などを通し、当事者や家族と一緒に考えたりするようにしています。

今回はコロッケバーガーと薩摩揚げの販売に加え、紙芝居を行いました。ほかの団体の方と顔なじみになり、ネットワークが広がることはもちろんですが、子ども同士の交流が生まれたり、子供たちがいつもとは違う面を見せてくれたりと、そういうことが嬉しいですね。(角田紀美子さん)

▽フレンドリースペース金沢 http://friendlyspace-k.sakura.ne.jp/

フリースクールたまりば

NPO法人フリースクールたまりば(川崎市高津区)

川崎市で子ども・若者たちの居場所作りを行なっています。また指定管理者として「川崎市子ども夢パーク」及び「フリースペースえん」の運営もしています。

たまりばでは、毎年焼きそばの販売を行っています。第1回から参加していますが、外部へのPRなど、考えていかなくてはいけないことは多いです。子供たちには、年1回のお祭りとして定着して、楽しみにしてくれているので、今後はもっと外へPRして、更に多くの人に訪れてもらえるイベントにしたいと思います。(佐藤有樹さん)

▽NPO法人フリースクールたまりば・フリースペースえん http://www.tamariba.org/ ▽川崎市子ども夢パーク http://www.yumepark.net/

アンガージュマン・よこすか

NPO法人アンガージュマン・よこすか(横須賀市)

不登校・ひきこもりの子ども・若者たちが自由に過ごせる空間を提供すると同時に、個々に合わせた学習支援や就労へ向けた活動を行っています。

山形県の農家と契約して、お米などを仕入れていますが、その物産展と岩手県大槌町支援のためのお菓子「チョコボ・大槌バージョン」を販売しています。利用者が漬けた梅干は3種類販売していて、昼過ぎにはもう既に1種類が売り切れるほど好評です。 参加者としては、来場者が減ってきていると感じるので、何とかしたいと思っています。全国的に見ても行政とNPOが、こんな風に一緒にやっているところは少ないし、NPO同士の横のつながりも少ない。せっかくのイベントなので、もう少しいろいろな人に知っていただいて、にぎわいを取り戻したいです。(島田徳隆さん)

▽NPO法人アンガージュマン・よこすか http://npoey.com/

神奈川こども未来ファンド

認定NPO法人神奈川こども未来ファンド

子どもの育ちを社会で支えるために生まれた市民基金です。寄付を県内の子ども・子育てや若者を支える団体に届けています。

バッチの制作と同時に、朗読劇「ハッピーバースデー」の無料招待受付を行いました。団体の意識として、人と人とのつながりを大事にしていきたいというのがある。こういったイベントにも、必ず人と人とのつながりが生まれますから、そういったものを大切にしていきたいです。(野北康子さん)

▽認定NPO法人神奈川こども未来ファンド http://www.kodomofund.com/

コス援護会

NPO法人コス援護会(川崎市川崎区)

ポップカルチャーを通じた「心の居場所作り」と、「社会との接点の創出」を考え、コスプレ体験コーナーを用意したり、コスプレを通じて集まった人同士で話をする機会を設けたりしています。

フリ・フリ・フリマでも、メガネ、カツラ、衣装などを用意して、簡単なコスプレで遊べる体験ゾーンを用意しました。スタッフにとっては、知らない人とのコミュニケーションによって視野を広げる機会に。来てくださった方には、おかしなものと思わがちなコスプレという体験を楽しんでいただきたいと思います。(園田明日香さん)

▽NPO法人コス援護会 https://www.npo-homepage.go.jp/npoportal/detail/014002143

ひかりの広場

ひかりの広場(横浜市内各所)

特定の居場所で活動する訳ではなく、各メンバーが地元で五感を使ったワークショップを開催するコミュニケーションワークショップ研究会です。よりよいコミュニケーションのために、「音」「色」「形」「手触り」「香り」「味」など、五感を使ったワークショップを、楽しみながら研究しています。

今回は廃材アートの展示や、ワークショップを行いました。競争や人との比較などとはと違った基準で何かを作ることで、気持ちが開放されたり自信がついたりします。フリ・フリ・フリマでは親御さんもお子さんも、気軽にワークショップを楽しんでくれます。ワークショップを通じて、ほっとしていただければと思います。(松本光世さん)

▽ひかりの広場 http://hikarinohiroba351.blog.fc2.com/

フリースクール鈴蘭学園

フリースクール鈴蘭学園(相模原市)

フリースクールで、不登校・ひきこもりの子の支援を行っています。また、非行傾向の子の支援や、フリースクールまで来られない子への訪問スクールも。

洋服、雑貨などを低価格で販売しています。子供たちが自分でものを売ることで、お金の重さや交流の大切さを感じてほしいです。それだけでなく、場の雰囲気を楽しんで、終わった時に「楽しかった」という言葉が出ればうれしい。(中村鳴美さん)

▽フリースクール鈴蘭学園 http://www.fs-suzuran-gakuen.com/

リロード

NPO法人リロード(横浜市保土ヶ谷区)

不登校、ひきこもりの子の自立支援を行っています。当事者の相談に乗ったり、親御さんの話を聞いたりする他、講座も開催しています。

今回はアートワークの講座で作った藍染の手作りスカーフや、バザーのために集めた品物を販売しています。以前より来場する方が少なくなってしまったので、もっと外部の人に知っていただきたいですね。(伊藤宏美さん)

▽NPO法人リロード(横浜市保土ヶ谷区) http://reroad.jp/

月一の会

NPO法人月一の会(横浜市都筑区)

若者の居場所としてコミュニティカフェ「あぷりこっと」の運営や、親の会の運営など行っています。また、コミュニケーション講座も開催しています。

ひも編みなどの簡単なワークショップに、バザー、フランクフルトの販売を行いました。第1回から参加していますが、ひも編みが好評で、昨年作ったものをつけて再度新しいものを作ってくれる方もいます。お祭りを通じて、当事者が社会と接点を増やしていければと思います。(末木亮史さん)

▽NPO法人月一の会 http://tsukiichi.com/

湘南市民メディアネットワーク

NPO法人湘南市民メディアネットワーク(藤沢市)

私たちの団体は、映像制作のワークショップなどを通じた支援活動をしています。 フリ・フリ・フリマでは、これまで参加団体の方にカメラをお渡しして、動画撮影に参加してもらったり、ワークショップなどを行ってたりしてきましたが、前回からひきこもりに関する公開討議を、インターネットで中継配信しています。

来年は映画の上映会やワークショップ、他団体とのコラボレーションにも取り組んでいきたいと考えています。(加藤修大さん)

▽NPO法人湘南市民メディアネットワーク http://scmn.info/

ヤングコミュニティー

ヤングコミュニティー(横浜市戸塚区)

学校や会社以外で、若者が集まることのできる居場所を提供しています。2010年の活動開始時には「集いのCafe」という名称でしたが、より何をしている団体がわかりやすいように、今年の4月から「ヤングコミュニティー」に改称しました。

フリ・フリ・フリマでは、屋外で大道芸を披露しています。時間があっという間に過ぎてしまいますね。もっとスタッフを増やして、イベントを盛り上げていきたいです。(奈良橋修さん)

▽ヤングコミュニティー http://tsudoi.blog-rpg.com/

相談機関ヒューマン・スタジオ

相談機関ヒューマン・スタジオ(藤沢市)

不登校・ひきこもりの経験を活かし、相談業務を中心に、親の会やセミナー、メールマガジン配信などをしています。

フリ・フリ・フリマでは他団体とコラボレーションして、参加してきました。今回も雑貨や書籍の販売とともに、湘南市民メディアネットワークさんとひきこもりに関する公開討議を実施しました。前回は中継のみを予定していたのですが、館内放送を聞いて集まってきてくれた観覧希望の方がいたため、今年は最初から20席ほど用意しました。(丸山康彦さん)

▽相談機関ヒューマン・スタジオ(藤沢市) https://husta.is-mine.net/

なごやかな空気に包まれながらイベントは進み、多くの方の笑顔がそこかしこに見受けられました。出店している若者が、緊張した面持ちで呼び込みをしたり、おつりの受け渡しをしたりする様子を来場者が温かく見守る場面などは、このイベントならではものもだと思いました。

「以前開催していたのは表通りに面した青少年サポート課の建物だったのですが、別館に移り、お客さんが減ってしまったり、出来るイベントが限られてしまったりと、いろいろ改善しなくてはいけないことが増えました。もっと外に向けて告知をして、色々な方に来ていただきたいです。来年は県立青少年センターのホワイエに場所が移りますので、何か広いスペースを活かした催しができればと思います」と、今回実行委員会長を務めた佐藤有樹さん。

来年は今まで以上のパワーアップが期待されるフリ・フリ・フリマ。楽しみですね! 今回は動画取材もしてきたので、是非ご覧下さい。

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