みなさんこんにちは!今回取り上げるキーワードは「ひきこもり高齢化」です。
以前までひきこもりは若者の間に起こる事象だと思われていたけれど、今は当事者のひきこもり期間が長くなり、年齢層が高くなっているのではないかと言われているんだ。
山形県が平成25年に行った調査では、ひきこもりに該当する当事者の約45%が、40代以上だったという結果が出ているわね。
東京都でも平成20年に、35歳以上の当事者の実態を把握するべく調査をしているんだ。それによると「職場不適応」がひきこもる要因のトップにあげられているんだ。
前にこーちゃんが「読んでみた。」で書いていた「ドキュメントひきこもり」にも書いてあったね!
そうそう。以前は「不登校の延長」と思われていたひきこもりだけど、社会での多大なストレスによってひきこもり可能性があることを示唆している本なんだ。それによって精神障害を発症することもありうる。
高齢化は、ひきこもりの長期化だけでなく、社会に出てからひきこもるケースもあるということなのね。
こうした背景を受け、高齢化した当事者が今後どういったライフプランを立てるべきか提案する本も出てきているんだ。
前に書評で取り上げていた「安心ひきこもりライフ」がそうだったわね!
「安心ひきこもりライフ」では生きていくための「心構え」がユニークに語られていたよね。その他にも経済的なやりくりの仕方について紹介があったけれど、まさにその問題にフォーカスしたのが「ひきこもりのライフプラン」という本なんだ。
ほうほう?これは以前に内閣府から支援者向けに配布した「ひきこもり支援者読本」の一部に加筆修正したものなのね。
ここで前提としている当事者のライフプランとは「親が亡くなった後」のことなんだ。親の介護が必要になった時、そして親が亡くなった後、どのようにして今持っている生活の基盤を当事者に譲ればよいのか。ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんが具体的に提案し、実行に移しやすいよう書いている。
遺産相続や年金、家や土地、それに生命保険……うーむ、頭が痛くなってくる(>_<)
家のお金の話って、なかなか家族同士で話題にしづらいことだけれど、いつかは話し合わなければならないことなのかもしれないな~。夏目漱石「こころ」のように……。
ライフプランを立てるためのシートの作り方も掲載されているのね。「今後のためにお金の計画を立てる」という考え方を頭の中に入れておくだけでも、将来への漠然とした不安が少しやわらぎそうね。
ひきこもり高齢化とともに、今後の生活の方策も変わってくる。脱ひきこもりを目指すという考え方とはまた違ったものだけれど、こうしたケースを知っておくのも有用なのではないかな!
【参考資料】 ・困難を有する若者に関するアンケート調査報告書 平成 25 年9月 山形県子育て推進部 http://www.pref.yamagata.jp/ou/kosodatesuishin/010003/wakamonokatudoushien/researchresult.html(リンク切れ)
・平成20年度ひきこもりの実態調査結果について 東京都 http://www.metro.tokyo.jp/INET/CHOUSA/2009/03/60j3u101.htm (リンク切れ)
・DIAMOND online「山形県調査でわかった「引きこもりの半数は中高年」もはや欠かせない“高齢化・長期化”の視点」 http://diamond.jp/articles/-/42154
・ドキュメントひきこもり 池上正樹 宝島社新書 2010年 ・安心ひきこもりライフ 勝山実 太田出版 2011年 ・ひきこもりのライフプラン 斎藤環、畠中雅子 岩波ブックレット 2012年 ・高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン 畠中雅子 近代セールス社 2012年