この度、ひき☆スタでは、サイトのトップにあるヘッダーにて、ひきこもり当事者や経験者の方がイラスト/デザインした作品を期間限定で掲載していく企画を開催します。

この企画は、当事者/経験者の作品を発表できる場を設けるとともに、当事者/経験者が作成した絵やデザインを通じて、ひき☆スタをユーザーの皆さんにとって、より親しみやすいサイトにしていきたい、という気持ちからスタートしました。

記念すべき第1回は、4コマ漫画「こもりん。」などを作成しているひきこもり経験者/漫画家のうのゆみこさんに描いていただきました!

うのさんがイラストしたヘッダーは、9月末頃まで掲載予定です。いつもと少し違ったひき☆スタを、ぜひお楽しみください!

うのゆみこさんが作ったヘッダー画像


うのゆみこさんからのコメント

この度はお声掛けいただき、本当にありがとうございました。
私自身、ひきこもり当事者のイベントで「ひき☆スタを見て来ました。」と言って参加された方とご縁を繋がせていただいたりと、以前からひき☆スタに助けられている場面が多くありましたので、今回私のイラストがひき☆スタに関わる皆様のお役に立てるのでしたら、大変嬉しく思います。
数ヶ月間の掲載ですが、どうぞ楽しんでいただけましたら幸いです。

『イラストに込めた思いやメッセージ』
「希望の芽を育てる」という思いを込めて描かせていただきました。
昨今、ひきこもりの当事者・経験者による様々な活動がとても盛んになってきたように感じます。私自身、ネットに明るくない性格ですし、人との関わりにまだまだ課題が多い人間なので、正直そういう活動に「ついていけない」と大きな不安を感じることがあります。しかし、「ひきこもりには様々な事情があり、決して罪や悪ではない」という価値観が、少しずつでも認知されるこうした動きは、やはり一つの『希望』だと捉えています。
芽を育てるように、世の中に出てきたこうした『良い兆候』を皆さんで支え、見守り、時に大きくするお手伝いができれば、不意の不幸が訪れても誰もが幸せになれる社会になるのだろうな、という思いを込めて描かせていただきました。

『キャラクターについて』
右がこもりん、左が桜木(さくらぎ)先輩という名前のキャラクターです。

こもりんはひきこもり新聞の4コマ漫画の為に、「そのままでもあなたは愛おしい」というメッセージを込めて、私なりのひきこもりをイメージして生み出されました。いつも殻の中から顔をのぞかせ、性別も、どんな生き物なのかもわからないキャラクター。外に出たくても、出口の殻のギザギザで体が傷つけられ、痛くて出られない。出口の形が変わるか、こもりんの姿が変わるかしないと、外に出られないという設定があります。

桜木先輩は「先輩」という名の通り、殻を出た姿をした、こもりんの先輩に当たるキャラクターです。ひきこもりピアサポートゼミナール(ひき桜主催)の案内役として生み出され、今ではこもりんと一緒にゼミのホワイトボードやチラシに描かれています。桜木先輩にはこもりんと違って手足がありますが、無理矢理急いで殻を出たために、足腰が未発達で長時間立っていられないという設定があります。本当は座りたくてたまらない、こもりんの前でだけ、立てない自分でいられる.. 。「こもりんがいて自分がどれ程救われているか」と、体があってもこもりんを決して下に見ることはない先輩の心境も、ポーズやこもりんとの目線の位置などから見ていただけたらと思います。

うのゆみこ プロフィール

海外で高校生活を送った後、単身帰国。某国立医科大学へ進学。在学中、心因性失声症を患い2度のひきこもりを経験。その間、弟が原因不明の精神病に。大学を中退。3.11の震災を機にひきこもりを脱し、様々な職を経験する。ひきこもり新聞で4コマ漫画「こもりん。」の連載を機にフリーの漫画家に。現在はひき桜主催のひきこもりピアサポートゼミナールの運営に携わる傍ら、自分の状況に折り合いをつける道を模索中。家族が受けた偏見、また自身の追い詰められた経験から、日本の福祉、精神医療、ひきこもりや社会に挫折する人々を取り巻く環境が、少しでも良くなればと活動を続ける。

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