思えば、始まりは小学生の時のテストだった。
国語算数理科社会、通常の科目に加えて道徳のテストがあった。
その内容は如何に大人や社会の求めることを忖度できるか、ということを問う
ものだった。しかも、選択問題だった。
反感を覚えた当時の私は、わざと間違いであろう選択肢を選んでやった。
その結果、道徳のテストだけ学年最下位。担任の教師に呼び出された。
自慢ではないが当時の私は優秀だったので、道徳のテスト以外は全て満点だった。
だから、呼び出された理由がよくわからなかった。
そんな私に担任の教師は言った。
「お前はお勉強がよく出来るが人間性は最低のクズだ。将来碌な人間にならないだろう」
私はこの時にうっすら感じていたのだ。
社会において受け入れられるのは、真面目に努力する人間でも優秀で能力が高い人間でもない。
大人など、自分より強い者に忖度できる要領の良い人間だ、という事実を。
あれから20年余り経つ。
あの時の直感は面白いほど正しかった。
忖度のうまい奴らは、楽しい青春時代を過ごし彼女も作り、いい大学を出ていい会社に就職して、円満な家庭を作って幸せにやっている。
私はどうだ。
楽しいはずの青春時代はいじめ抜かれて地獄だったし、心を病み大学にもまともに行けず、
企業からも相手にされない。無論、女性とまともに話せたことも一度もない。
そして今は引きこもりのニートだ。
いくらマスコミが綺麗事を言おうが、これが現実なのだ。
千葉県 ヤタノカガミ(投稿日:2019年4月8日)