秋さん。あなたのご意見に代表される「世の中にはもっと大きな苦しみや本当の苦しみを抱えた人がたくさんいる。それに比べて、あなたの苦しみなどちっぽけなものにすぎない。だから我慢しなさい」とでもいうような言い方は、むしろ当の「大きな苦しみや本当の苦しみを抱えた人」に対してこそ失礼なのではないでしょうか。
一見あなたは、そのような人たちに対してあたかも共感しているかのようですが、実はまったくそうではなく、そのような人たちの「大きな苦しみ」や「本当の苦しみ」をダシにして、一方の「ちっぽけな苦しみ」に覆いを被せてしまい、そこから目をそむけて間に合わせに苦しみを回避しているだけのことです。それが結果的に「大きな苦しみや本当の苦しみを抱えた人たち」の、当のその苦しみにまで覆いをかけてしまっており、その覆いの下で彼らの苦しみは放置させられたまま、結局は彼らにまでその苦しみに対する我慢を強要することになるのです。
一体何がそのような「苦しみ」を作り出しているのか、彼ら自身でその苦しみの本質に向き合い立ち向かう機会が、その覆いの下で奪われているのです。それがまた元の場所に戻って、「ちっぽけな苦しみ」を抱えている人たちが、彼ら自身でその苦しみに向き合う機会をも奪っていることになるわけです。
([2]へ続く)
千葉県 臨海