序列とは、強いか弱いか、組織の中での自分の立ち位置のことです。これが大人の社会でのイジメ、微妙な差別の正体です。
社会に適応している人たちは、この序列に、たいへんな労力をさいている。序列こそ人生と言っても過言ではない。わかりやすく言えば、人からバカにされないように、集団の中で少しでも有利な立場を確保することに、全力をそそいでいる。
序列をめぐる争いから降りてしまった人間にとってはバカバカしいことこのうえない。だからといって序列を無視すると、仲間にするのは論外の最低以下の立場になってしまう。それでも能力が高くて、なおかつ、おとなしくしていれば、平穏な一生を終えることもできる。
逆に、序列に一生をささげれば、腕力がなくても、仕事の能力が多少低くても、それなりの地位を確保できる。でも序列に一生をささげるということは、上の人には逆らえず、下の人とは付き合えない。やさしい人なら、なおさら、序列を無視することはできない。なぜなら序列にしたがうことが、弱くても生きていける仕組みだからだ。
社会に適応しているすべての人が努力しているようには見えない。それでも、良い話し相手であるとか、みんなにかわいがられる要素を持っているのだろう。共通の趣味があれば上下関係は弱まる。だから「好きなことを仕事にしなさい」ではなく、「好きなことを語り合える人と仕事をしなさい」なんだと思う。
神奈川県 七転び